イスタンブールは、アジア側とヨーロッパ側があるのはご存知でしょうか?

その境目は、ボスポラス海峡で区切られています。

今回は、アジア側(ユスキュダル)へ日帰りで訪れてみました。

ヨーロッパ側の港は2つある!

ヨーロッパ側からアジア側へ行くフェリーの港は二つあります。

一つは、新市街のカラキョイ(Karaköy)から。

もう一つは、旧市街のエミノニュ(Eminönü)から。

私は後者のエミニョニュから向かうことにしました。

ガラタ橋のふもとからフェリーが出発します。

この辺りには、たくさんのフェリーターミナルがあります。

そして、観光客だけでなく地元の人も利用するのでたくさんの人でごった返していました。

乗り場を間違えないように注意が必要です。

フェリーの乗り方

フェリーの事前予約は不要です。毎日20分毎に出航しています。

値段は、片道5リラ (約100円)。かなり安いです。

チケットの買い方はとても簡単!

以前紹介した、イスタンブールカードや回数券を券売機で買い、改札にかざすだけで乗ることができます。

さて、いよいよヨーロッパ側とアジア側の境界線、ボスポラス海峡を渡ります。

出航〜!
小舟もあれば、貨物船もある。
デッキに座る。
いい天気。
新市街のビル群。
「乙女の塔」がポツンと立っている。
アジア側が見えてきた。
隙間なく詰まっている建物の間に、モスクを象徴するミナレットの塔が見える。
青い空。青い海。そしてアジア側のイスタンブール。

アジア側「ユスキュダル」

アジア側にもいくつかの港があります。

私が今回訪れたのはユスキュダル(Üsküdar)。

空はまだまだ明るいですが、時刻は午後5時前。

日没までの時間も限られていたため、ヨーロッパ側から最短の15分で行けるこの場所を選びました。

目的地は特にありません。

日が沈む頃まで、ぶらぶら散策します。

フェリーから降りて、内地の方へ続く大通りを歩いてみました。

商店街のような大通りには、お店の看板がずらりと掲げられている。
なんとなくだが「アジアっぽさ」を感じた。
果物がどっさり。袋に詰めて購入する人々。
市場には魚がたくさん。
日常の一コマ。
この建物だけ、周りとは違ってモダンな感じ。

アジア側はヨーロッパ側より「観光地化」されてない印象を受けました。

魚や果物、野菜などの市場が盛んで、地元の人が買い物をしている光景をあちこちで目にしました。

ここには大々的な観光客用のお土産屋さんがあるわけでもなく、案内図が描かれている看板が立っているわけでもなく、ただ人々が日常を過ごして、穏やかな時が流れている場所でした。

ここらで腹ごしらえをします。

トルコならではのファストフード店を発見。

ケバブバーガー屋さん。
どれも美味しそう。
安定の美味しさ。

ついつい店内で長居していたら、店員さんからのサービスでチャイを頂きました。

トルコでのチャイ文化は、人と人を繋ぐコミュニケーションとしてもとても素敵だなと改めて実感しました。

満腹で満足。

お店を出て、帰路に着きます。

横断歩道を待っている時、押しボタンを押そうとふと横に目を向けると…
点字ブロックとコンクリートをぶち落とした穴がポッカリ…。

ヨーロッパ側へ帰る。

時刻は夜の8時過ぎ。

そろそろ帰ろうか。

フェリー乗り場へ。

フェリー乗り場周辺で、釣り人と夕日を眺めて腰を下ろす人々。
うっとり。
ヨーロッパ側の新市街に夕日が落ちていく。
夕日が沈む方から来たフェリー。
この大きなフェリーに乗り込んでヨーロッパ側に帰る。

街に沈む夕日が、アジア側とヨーロッパ側、その境界線である海峡までもをオレンジ色に染めています。美し過ぎて、まるで、全てが一体化したかのような感覚に陥ります。

私もその中に解け込むかのように、ぼんやりとデッキで海風を浴びて、外を眺めていました。

一枚の絵のよう。
夕日が街を染めるとはこのことか、と思わされるほどの美しさ。
アジア側に別れを告げる。
行きもそうだったが、帰りのフェリーも乗客はいっぱい。
それだけ、このアジアとヨーロッパを繋ぐフェリーは人々にとって大事な存在なのだろう。
太陽は隠れても、溢れた光が空を染める。
ヨーロッパ側のシンボル、ガラタ塔が見えてきた。
遠くからでも分かるガラタ塔のある新市街。
しばらくの間、この景色に見とれてしまっていた。
いよいよ沈んでいく夕日に照らし出されたモスクの影が、このトルコ旅の終わりを描いているように思えた。
ヨーロッパ側に到着。
モスクが出迎えてくれているようだ。

旅の方法は人それぞれ

フェリーから降りたらもうすでに空は暗くなりかけている。
急いで朝預けていたランドリーで洗いあがった洗濯物を回収し、ドミトリーへ脚を速める。

ドミトリーに戻って、同室で仲良くなったインド出身の女の子ディーバとおしゃべり。

これからのお互いの旅の話をしました。

旅のルート作りにおいて、ディーバはインスタグラムで訪れるところを決めているそう。

インスタグラムにおける利便性の高さに驚かされます。

さらに、

「日本に行きたいの!」という彼女に、

「日本で何したい?」と聞いたら、

「桜を見て、長崎のチーズケーキが食べたい」とのこと。

長崎のチーズケーキが世界的に有名だったとは…。恥ずかしながら、長崎のチーズケーキが名産ということは初めて知りました。

そのことを伝えると、

彼女は、「インスタグラムで流行っていたよ!知らないの?!」と非常に驚いていました。

今やインスタグラムをはじめとするSNSは、外から見た日本の魅力を伝える、王道の観光地から外れてみる冒険心をくすぐられる媒体、そしてリアルな声が届けられていくものだと実感しました。

旅行の仕方一つを取っても、やり方は様々、千差万別。

旅の仕方は時代と共に少しずつ変化していることを体感した瞬間でした。

私もそうですが、今や旅行するとなったら情報はインターネットやSNSから得ることが主流になりつつある時代です。

旅行会社が組んでいるツアーで訪れる場所や、ガイドブックに載っているところだけが、その土地の見所や魅力ではありません。

インターネット検索でヒットした情報や、SNSで流れてくる写真や口コミも、その人にとってその場所は立派な「観光地」となり、その人自身の中に、そこへ訪れる価値が生まれるのだと気づきました。

そして、そのインターネットやSNSの使い方も人それぞれなのだと改めて感じたひと時でした。

また、ディーバは約1ヶ月かけてトルコ中を旅するという。

イスタンブール、カッパドキアだけでなく、真っ白で美しい石灰棚で有名なパムッカレや、「エーゲ海の真珠」と言われているリゾート地イズミルなどを訪れるそう。

「色んな国に行くのもいいけど、1つの国の魅力を徹底的に楽しむのも旅の方法の1つ」。

彼女は生涯をかけて、1つ1つの国をじっくり訪れて素敵な写真を撮る事がこれからの生きる楽しみと、素敵な笑顔で話してくれました。

一方、ニュージーランド出身の女の子は、現地で住み込みのベビーシッターをしながらお金を稼ぐ「オーペア」を使い、1年以上旅をしてきたベテラン。

大きいバックパックを使いこなして過ごしてきた彼女もまた、自分が最も楽しめる事を一番大切にしていました。

「家族や故郷はとても恋しいけどね」と言いながら、これまで訪れた各国の素敵な写真を見せてくれました。

彼女がチェックアウトする最後のお別れの時、その荷物を背負わせてもらったのですが、とてつもなく重くて持ち上げる事ができませんでした…。

そんな私をみて笑いながら、「体を痛めないように背負うコツがあるの」と言いながら慣れた手つきで軽々と肩に担ぐ姿がとってもかっこよかった。

空港へのシャトルバスを待つ彼女と、お別れのひと時。またいつかどこかで会えたらいいな。

旅の仕方は千差万別。

これからの旅がどうなるか不安で、自分のやり方が果たして良いのかどうか悩んでいた私にとって、自分の「好き」を大切にし誇りを持っている彼女たちに、とても勇気付けられました。

トルコといえばシーシャ

自前のシーシャを店の奥から持ってきてくれた。

最後に、ドミトリーの受付で明日の空港までの送迎の確認をしに行った時、仲良くなったバイトのお兄さんがシーシャに誘ってくれました。

ずっと、「トルコに来たらシーシャ吸いたいな」と思ってはいたのですが、一人でシーシャを吸いに行くのは今までなかなか勇気が出ずで。

レストランのテラス席に並ぶシーシャをいつも通り過ぎていました。

そんな時、声をかけてくれました。

開催地はドミトリーの隣のレストラン。

そのバイトのお兄さんと、かなり年の離れた友達と4人で1日の終わりを楽しみました。

夏の夜の道端でチャイと共にみんなでのんびり、今日の出来事を話す。
国によってモスクの形が違うことを教えてくれた。聳え立つミナレットの数もそれぞれ異なることを知った。

彼曰く、ここのドミトリーでの働きがいは、こういった出会いにあると言います。

自分が訪れた事のない国や地域から、同年代の人たちとこうやって交流できるのは楽しいよ、と笑顔で語っていました。

トルコ旅行まとめ

トルコに来てから、たくさんの人たちと関わってきました。

ひとり旅をしているインドとニュージーランドの女の子たち、ドミトリーの受付の人とその友達、絨毯売り、いい加減な(笑)地元のツアー会社、そのツアーのグループとガイドさん、コンビニの店員たち、靴磨き職人、長距離バスで隣になったお母さんと赤ちゃん、レバノンからの旅行者、社会人の日本人…。

この5日間で、数えだしたらキリがないほどのたくさんの出会いがありました。

どれも新鮮で、たくさんの人々と触れて、各々が抱いている考え方や思い、文化を肌で感じました。

地元の人たちと話していると必ず、次はどこの国に行くのか聞かれるのですが、ギリシャに行くと言ったらみんな口を揃えて「ギリシャはいい国だよ。近いしね!」と話してくれます。

そして「島には行くの?」とも必ず聞かれました。

まだ決めてないと言うと、「絶対に島には行くべきだよ!」とのこと。

隣国関係はいいのかな?と感じたのですが、争っていた歴史があったり、最近では資源問題で対立が激化しているとの報道もあったし…それとも観光するにはいい国という事なのか。

そこまで突っ込んだ質問をするのは失礼かと思いできませんでしたが、みんながオススメしているのでギリシャがさらに楽しみになりました。

2018年7月9日の旅。

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Airi Tabei

田部井 愛理(たべい あいり) 1994年生まれ。 世界一周、ロードトリップ(アメリカ西海岸往復、アメリカ横断、アメリカ国立公園巡り)達成。 日本の大学を休学し、シアトルへ留学。 アメリカ生活が楽しくなり、日本の大学を中退してシアトルのHighline College (短大)でHospitality and Tourism Managementを専攻。卒業後はUniversity of Washington Tacoma(ワシントン大学)に編入しArts, Media and Cultureを専攻、卒業。 ニューヨークで、週間情報紙「ニューヨークBiz!」で1年間OPTとして働いた後、日本に帰国。

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