1日でカッパドキアの2つのツアー(気球ツアーとグリーンツアー)に参加しました。

この日の流れは、

(早朝)気球ツアー→(午前〜夕方)グリーンツアー→(夜)夜行バスでイスタンブールへ。

今までの旅と比べると、割とハードな予定です。

カッパドキアには、4つほどのメジャーな観光ルートがあります。

その中の一つが、今回私が参加した「グリーンツアー」。

参照:Pera Air and Tourism

地図の左下に、緑色の線で囲われた辺りの見所をガイドさんに案内してもらいます。

右上のレッドツアーも大人気なので、もし時間がある人はそちらもチェックしてみてください!

グリーンツアーはツアー会社やその日の状況によって、訪れる箇所や順番が異なります

どこを訪れるか、事前確認は必ず行いましょう。

私が今回「グリーンツアー」で訪れた場所はこちら!

そして、最後にツアーに参加するメリットとデメリットをまとめました。

ツアー参加の注意点

私が参加したツアーは、事前にツアー会社から聞いていたルートと実際に回ったルートが異なっていました

ガイドさんはすごく丁寧に案内と説明をしてくれたし、訪れた場所がマイナーどころだったため、人混みを避けて回ることができ、結果的にはとても楽しかったのですが、この記事を読んでいる皆さんにはツアー会社選びは慎重に行ってください…。

ツアーのガイドは基本的には英語で行われます。

英語が母国語ではない人たちがたくさん参加しているため、ガイドさんも分かりやすく話してくれるので、そこまで心配する必要はないと思います。

ガイドさんは基本的にカッパドキアが大好きな人たちです。

そのため、分からないことや気になることがあったら恐れずに聞いてみてください!

きっと快く応えてくれます。

私はイスタンブールで、宿交通費気球グリーンツアーセットで予約しました。

ですが、バス、宿、ツアー…とそれぞれ現地で、自分で予約した方が確実に安いです!

トルコ滞在中はバタバタしていたため一つ一つの過程を調べる余裕がなく、割高ではありましたが自由時間以外の計画は全部ツアー会社に頼りました。

旅行中にバスの乗り場やタクシーの拾い方、治安、見所を調べるのはかな〜り時間がかかってしまうので、先々の不安やストレス軽減をお金で買った、という風に割り切りました。

どこでツアーを予約すれば安く済むのかと言いますと、現地のカッパドキアのツアー会社に自分で足を運び、グリーンツアー単体で予約することです。

その際、安全面や値段、観光ルートを比較するため、いくつかのツアー会社を訪れましょう。

もし、現地のツアー会社に赴く時間がなく、手間を省きたい方はぜひホテルの受付に要相談、要確認です!

ツアーが始まったら、長距離バスや送迎バスなどの車のナンバーは必ず写真に撮っておきましょう

休憩や観光のため、車から降りたら他にも似たようなバスがズラーっと並んでいて見失いがちです。

私自身、何度も見失ったため、その度に写真に撮ったナンバーを照らし合わせて探していました。

ツアーに置いていかれないように自分で気をつけましょう

そして、ツアー中はたくさん歩くため、必ず歩きやすい靴日除けの帽子サングラス長袖の羽織ティッシュ(トイレに拭くものが無いところ有り)、現金を持ち歩きましょう。

大きなリュックは邪魔になるので、できれば小さめの汚れてもいいショルダーバックがオススメです。

では、訪れた順番にグリーンツアーの紹介をしていきます。

グリーンツアー開始前

早朝に参加した気球ツアーから、朝の7時過ぎにはホテルに帰ってきました。

朝食を摂ったりして、少し休憩。

インターネット環境があるうちに、明日のイスタンブールで泊まる宿を予約しておかなければ。

ゆっくり探す時間もなかったので、この前と同じドミトリーに決定。

受付の人とは前回の宿泊ですっかり仲良くなっていたため、インスタグラムで「前回と同じプランで予約してほしい!」とメッセージを送ったら速攻で予約を取ってくれ、レシートの写真もしっかり送ってくれました。

仕事が早くて本当に助かった…。

これで、夜行バスでイスタンブールに着いても宿がない…という事態は免れました。

9時頃にまた送迎車がホテルまで迎えに来て、今度はグリーンツアーがスタート!

(なぜか今回も集合時間の15分前に呼び出されました。焦った〜)

ギョレメ・パノラマ

最初に訪れた場所は、カッパドキアの中心地である「ギョレメ」という街を一望できる丘。

通称「ギョレメ・パノラマ」と呼ばれています。

見所は、石灰岩でできた白い奇岩群。

この日は快晴だったこともあり、白い崖に座りぼーっとこの景色を眺めていました。

トルコの青いガラスのお守り「ナザールボンジュウ(英語:イーブルアイ)」がたくさん吊るされている。
遠くの方まで奇岩群が立ち並ぶ。
ツアーの一環で、近くにある工房へ。水と機械を使って丁寧に石を削っている。
作業も微調整も全て素手。まさに職人技。
ピカピカ。
斬新なパイプ。

すごいな〜とは思いましたが、何も購入せず。

クレーター湖(Narligol Crater Lake)

次は、クレーター湖(Narligol Crater Lake)へ。

大地に突如として丸い湖が現れた理由は、未だ謎に包まれているそうな。

学者の間でも様々な説が飛び交っているようです。

大昔に隕石が落ちたからという人や、火山が噴火した為だという人など。

今一番有力な説は、昔はここは海の底で、長い年月を経て海水が干上がり、地面にひび割れが生じて大地がどんどん削られ、クレーター状の湖が出来上がった、というものです。

そして、湖の色は綺麗なエメラルドグリーン。

水中に住んでいるプランクトンや藻が、太陽の光を反射してこの色を作り出しているそうです。

丘の上から湖面に降りるまで、案外かなりの距離があったため近くで見るのは断念しました。

多分、ウフララ渓谷(Ihlara Valley)

次は、ウフララ渓谷(Ihlara Valley)と思われる場所へ。

見出しに「多分」と書いたのは、ツアーのスケジュール表を見たらそこには「Ihlara」と書かれているのですが、一般的なウフララ渓谷と私が訪れた景色が異なっていた為です。

ここがウフララ渓谷なのかどうかは不明ですが、この場所には特定の名称が無さそうなので「ウフララ渓谷」ということにしておきます(笑)。

ウフララ渓谷は、映画「スター・ウォーズ(Star Wars)」の撮影地になった場所と言われています。

ですが、実はこの景色が映画のワンシーンと似ているだけで、実際には使われていないとのこと。

(スター・ウォーズを観たことが無いため、どこがどのシーンで似ているか全く分からなかったです…。こんなシーンあった!と心当たりのある方は、記事下のコメントよろしくお願いします!)

石灰岩の急斜面を登る。
滑りやすく手すりも無いため、かなり慎重に。
そして日差しが強め。
時々吹く風が心地よい。
不思議な形の岩に穴ぼこはもう見慣れた光景。
壮大な壁のような崖。
両脇にそびえ立つ、垂直に削られている崖が圧巻。
キリスト教が迫害されていた時代、人々は逃げ、隠れるように崖に穴を掘り、住んでいた。
家にたどり着くのも一苦労。
かなり段差のある階段を登って、ようやく部屋に入れる。
滑り落ちそうになりながら、なんとか座ることができた。
必死にジャンプして穴の中を覗いてみると、そこには確かに人工的に造られた部屋が存在していた。
中央の崖にある穴ぼこは、鳩の巣。
当時、鳩は大変貴重な存在として扱われていた。
一つには、伝書鳩として。
もう一つは鳩の卵の殻がある物に利用されていたから。
詳細は後ほど!
細いアーチを渡る…。下には安全のためのネットもない。足がすくむ。
イケメンガイドさん、ツアー仲間たちとこの周辺を散策。
アーチを潜ると、視界が一気に広くなった。
建築物の跡がそこら中にある。
洞窟部屋は形が分かるくらいには形状を保っているが、レンガなどで積み上げられた建築物は崩れ去ってしまっている。
洞窟は雨風に晒されることもない為だろうか、かなり保つらしい。
崩れてしまった家。
ここもボロボロ。
道中、人の住んでいる気配のある家を度々目にする。
ベランダで日向ぼっこしていた子供達に手を振り、ひたすら歩く。
遠くにヤプラクヒサル(Yaprakhisar)が見える。
テーブルのように真っ平らな崖と、トゲトゲの岩。なんとも不思議。
そこら中、奇岩群だらけ。
これらは大昔に火山が噴火して、火山灰などで出来上がったらしい。
「スター・ウォーズ」にあやかったカフェ。
ここで生搾りオレンジジュースを飲む。フレッシュで安定の美味しさ。

ウフララ渓谷で水上ランチ

ウフララ渓谷に流れる一本の川(Melendiz River)沿いには、たくさんの水上レストランがあります。

その中の一つ、「Aslan Restoran」でランチを食べました。

「メルジメッキ・チョルバス」と呼ばれるトルコ料理。
お豆のスープだ。
トルコの伝統的なパン。大きくて美味。
チキンと野菜とライス。
器は熱々の石鍋。

Bezirhane Church

次は、Bezirhane Churchという教会へ。

日本語名はわかりません…。

ここは、隠れキリシタンによって描かれたフレスコ画が壁画として残っている洞窟教会。

なんと、11世紀に描かれたのだそうです。

当時、イスラム教による迫害から逃れるため、キリスト教徒は崖に穴を掘り、隠れるように暮らしていました。

ですが、イスラム教の勢いは凄まじく、隠れキリシタンによって作られた教会が発見されるや否や、壁に描かれたキリストの目や顔が切り裂かれてしまったのだそう。

聖像破壊を受けた、悲惨な歴史です。

顔がことごとく潰されている。
この天井はかなり高い。
肩車しても絶対に届かないような高さだ。
1,000年も前の人々はどのようにして、天井にこんなにも細かくて正確な絵を描いたのだろうか。
ここに、イエス・キリストが描かれている。
ギョレメ野外博物館に保存されている壁画に比べると保存状態はかなり悪いが、でも色彩もキリストだということもはっきり分かる。
このキリストの目も潰されている。

鳩が当時の人々から大切にされていたもう一つの理由が、この壁画にあります。

なんと、この壁画は鳩の卵の殻で描かれているんです。

顔料は鳩の卵の殻、植物などからできています。

この化学製品や人工物を一切使用せず自然のものから作られた色は、発色に優れ、耐久性がある為、今でもこのフレスコ画を見ることができるのです。

デリンクユ地下都市(Derinkuyu Underground City)

次は、隠れキリシタンの地下都市へ。

カッパドキアには、キリスト教徒迫害を逃れるため、いくつかの地下都市が存在していました。

その中の一つ、デリンクユ地下都市(Derinkuyu Underground City)へ。

この地下都市は地下85メートル、地下10階ほども掘られていたそう。

造られたのはおよそ紀元前、そして一番使われていた時期は8世紀と言われています。

その時期、最大で1万人もの人々が、この地下都市で暮らしていたと言われています。

そして、この地下都市が発見されたのはここ最近、1963年。

それまでの長い間、この地下都市は人々に忘れ去られても尚眠り続けていたのです。

とんでもない年月を経て、消滅することなく現在まで存在し続けていることに本当に驚きます。

まだまだ発掘途中の遺跡であるため、これから新しい事実が発覚したり、まだ見ぬ歴史が詰まっているのでしょう。

ここが地下都市のサイン。エントランスはこじんまりとしている。
入り口は敵にバレないように、どこにあるか分からないようになっている。
このサインがなかったら分からなかった。
ここは、地上から見た通気口。
地下深くまで掘られている。
この穴に落ちたら骨折どころでは済まなそう…。
ここが入り口。
現在用に舗装されているが、中はかなり暗そう。
入り口付近は舗装されていて割と広め。
天井の高さもしゃがむ必要が無いくらいちゃんとある。
少し進むと、すぐに当時のままの地下都市が現れた。
ここは、左側の出っ張りからワインを引いて、貯蔵していた場所。

キリスト教にとってワインは神聖なもの。
キリストの血として、祭儀などの際に使われる。
さらに、ワインは傷を治したり冷えた体を温めたりするためにも使われていた。
今でもワインはカッパドキアにとって大切な存在。ワイナリーがカッパドキアで有名なのもその名残なのかもしれない。
ここは通気口。
酸素の通り道だ。
地下都市は空気が薄いため、生き抜くためにたくさんの通気口がある。
だんだん狭くなってきた。
とっても暗い。
スマホの灯りを照らす人も。
部屋がたくさんある。
当時、火を使った料理は日が沈んだ夜にだけ、しかも一階でしかされなかった。
というのも、地下の奥深くで火を焚くと煙が溜まってしまい、死に至る恐れがあるから。
さらに、日があるうちに通気口から煙が出てしまうと、敵に地下都市の出入り口がバレてしまうから。

細心の注意を払いながらここで暮らす日々は大変だったろう。
今は電気があるからいいものの、当時は明かりさえない生活。
穴ぼこだらけの地下都市で、真っ暗な中どのように生活していたのか全く想像ができない。
この二つの穴は一本の道で繋がっている。
願い事を心の中で唱えながら通ると、願いが叶うそうな。
ガイドさんに「試してみなよ!」と言われて、恐る恐る左側の入り口から入ると、中は灯りひとつなく、真っ暗。
しかも狭い。
めちゃくちゃ怖かった…。
ここは、キリスト教の十字架を模した柱。
このように手を掛け、祈りを捧げていたらしい。
ここは遺体を安置する場所。
狭いよ〜。
通気口から外の光が!
ようやく外に出れた。
外が明るすぎて、目がチカチカする。
昼でも地下の中は当たり前だが真っ暗。
ここに1万人も住んでいたなんて。
どれだけ過酷だったか。

ナッツ専門店(Beyzade kuruyemiş)

最後は、ナッツ専門店(Beyzade kuruyemiş)へ。

ここにはナッツ以外にもトルコの伝統的なお菓子がたくさんありました。

しかもどれも美味しい。

お土産を買うには最適なお店です。

ここに並んでいる試食品はほとんど食べました(笑)

見た目的にためらわれるようなものでも、どれも美味しかったです。

棚に並んでいるのは、「ロクム」と呼ばれるトルコのお菓子。
バーの中にナッツやドライフルーツが入っている。
とっても美味しいが、少し値段が高め。
草?のようなものがたくさん入っているケースの列を発見。
店員さんに聞いてみると、これらは薬草なんだとか。
お腹が痛くなったら、水の入ったコップにこれを入れて飲むらしい。
このイチジクの粉ジュースを試飲でもらった。
美味しかったし軽くて安かったため購入。
ホテルがあるユルギュップへ帰る道中。
目が覚めたら、車窓からまたもや奇岩群が見える。
ここにも住んでいたのだろう。
どうやって登っていたのか不思議。

ここで、ちょっとした小話。

イスタンブールには日本語を話せる人がたくさんいました。

観光地で日本人観光客がたくさん訪れるから、客引きのために話せるようになっているのかなと思っていたのですが、これには理由があるみたいです。

ガイドさんの話によると、トルコ語と日本語は文法の仕組みが似ているため、学びやすいのだそう。

それに関連して、韓国語も勉強しやすいらしいです。

トルコと日韓は隣国でもなく、歴史的に直接の大きな貿易をしたりだとかいうこともなく、さらに言語が流通したという訳では無いのに、共通点があるのはとても不思議な感じがしました。

これもまた新しい発見でした。

イスタンブールへ帰る

ツアーが終わってホテルに着き、預けていた荷物を受け取る。
ベランダで夕日を浴びながら明日の予定を立てつつ1時間ほどのんびり時間を潰す。
帰りのバスは、なんと一人掛けの席だった。
車内は綺麗で椅子も快適だし、楽々足も伸ばせる。
コンセントもあるし、Wi-Fiも繋がる。
「2+1 Nevsehir」というバスがどうやら乗り心地最高で有名らしい。
オススメ。
座席に座り、試しにトルコのバラエティ番組を見てみるも、何を言っているか分からないためすぐに消す。

さて、ここからまた12時間かけてイスタンブールへ帰ります。

スカーフ一枚持っていると本当に楽。

いざという時に使えるし、かさばらない。長距離移動中のクーラー避けや、掛け布団にもなる。

しかもトルコ土産にもなるのでおすすめです。

ツアーのメリット/デメリット

今回の世界一周で、初めてツアーに参加しました。

ツアーのメリットは、見所や自力で行きずらいところを効率よく回ってくれるところ。

さらに、専門的な話や歴史などの詳しい話を聞けるところ。

私の場合、ご飯や交通ルート、チケット購入や閉館時間などの事前の下調べにかける時間が短縮できるところが非常に助かりました。

旅を進めるうちに下調べに疲れてきたので、ちょうど良いタイミングでツアーに参加できて息抜きになりました。

一方、ツアーのデメリットは、達成感が薄れるところにあると思います。

自力で到着した時、思わぬ発見をした時、新しい出会いがあった時の感動がツアーではなかなか感じ取れません。

ツアー客の間では素敵な出会いもありましたが、機械的に集団で移動しなくてはいけないため、グループ外との関わりがほとんど無かったです。

さらに、「もっとここでゆっくりしたいな」「ここは早めに出たいな」と思っても、自由に行動できない点も挙げられます。

今回ツアーに参加できて本当によかったと思っていますが、次訪れる際は、国際免許証を持って、バギーをレンタルして遺跡を回りですね。

2018年7月8日の旅。

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Airi Tabei

田部井 愛理(たべい あいり) 1994年生まれ。 世界一周、ロードトリップ(アメリカ西海岸往復、アメリカ横断、アメリカ国立公園巡り)達成。 日本の大学を休学し、シアトルへ留学。 アメリカ生活が楽しくなり、日本の大学を中退してシアトルのHighline College (短大)でHospitality and Tourism Managementを専攻。卒業後はUniversity of Washington Tacoma(ワシントン大学)に編入しArts, Media and Cultureを専攻、卒業。 ニューヨークで、週間情報紙「ニューヨークBiz!」で1年間OPTとして働いた後、日本に帰国。

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